映画メモ

観た映画記録帳。はっきり言って、長いです。お暇な人はどうぞ。

今日の映画キロク #20

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ヒメアノ〜ル
 
原作はあの稲中卓球部員を描いた古谷実
稲中〜は好きだったなぁ。特に『シネシネ団』とか。たまにネタで使ったり、全巻持ってたんよ。
アニメもあったけどやっぱり原作が面白い。
 
けど、この稲中描き終わってから、
最近はこういう系も描き始めてたんだなぁと。
サイコパス的な。
はっきり言って、胸クソ映画でした。(笑
でもこれ褒め言葉でね、
鬼才古谷実の原作と鬼才森田剛の演技力が合わさって出来た作品だなって思います。
 
でも、観る前に描写が胸糞になる人もいる可能性もあるってことで、注意しておきます。
でも、ただのスプラッター映画ではなくて、人の心には誰しもありうることであって、ただそこの境界線を越えるか超えないかっていう。
でも最終ら辺で、どうして犯人はこうなったか…みたいな描写もあって、さらに最後のシーンで何故かジーンと来てしまう。
その辺が、スティーブン・キングみたいだなと思った。ホラーで過激な描写もあるけど、最後は仲間や家族の愛を感じるっていうのが彼の書き方の特徴だけどそれに近いものを感じました。
 
 
この映画の監督も言ってたんだけど、日常的に起こり得る感じで撮ってあるのが凄く怖かった。
だから、これ見終わったあとで戸締りとかしっかりチェックしようってしてる自分がいたよ。
 

 
あと
森田剛の演技が自然過ぎてて逆に怖い。
この人いつもこんなことやってるんじゃない?みたいな語弊招くかんじもあるっていうか。
もうそこまでくると、もう上手いんだが、演技なんだか、がわからなくなってくる。
 
人間失格のクールさは、全くこの映画には関係なかった。もう、クール通り越して、冷酷。
 
 
映画に出てくるキャラはみんな濃ゆい。
クセが強い。
前半はカフェで働く可愛い女子がいて飲みに誘うか誘わないか。でも完全ヲタクのDT男が自分では行動しないくせに主人公使ってあーだこーだ指図する。
あぁーいるよねーこう言う奴。そのくせ夢見るクソ野郎。ムロツヨシさいこー!
誘うことに成功したけど一緒に飲みに行った初対面のポッチャリ女子が体型のくせに割に合わない口で話すし空気読めない女で…。これまた皆んな演技上手いから笑える。
 

主人公は冴えない青年。
夢も希望もありません。的な。それが、キンちゃんこと、濱田岳
 
その恋人になる女の子。
DT男に隠れて付き合いだす。佐津川愛美
 
冴えない主人公と友達…だった森田くん。
え?演じる人と名前同じ?!森田正一、だって。
高校の時酷いイジメを受けてトラウマになった。
そして主人公と女の子が付き合い出したのを知り、連続殺人サイコキラー森田くん覚醒。
 
 
 
内容は、結構な描写とサイコパスなんです。
でも人の醜さや残酷さ、絶望は誰にもあるんだよね。居た堪れなくなる感じがあります。
描写が酷いからではなくて、サイコキラーな性格を成り立たせてしまった原因が凄く切ない。
ネタバレになるのであまり書けないけど、最後の運転するシーンで、なんで避けたの…?って思うシーンがある。でも最後の最後に映るシーン観る前にわかったよ。
せつねーんだよなぁぁぁ。最後の最後で。。
『おかあさーん、麦茶2つ持ってきて〜』のセリフで泣けよる泣けよる。(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
まぁ泣けなくても、せつねぇぇぇぇ。
 
 
 
大学の時、目の構造についての授業があったんですが
そもそも人の目とは偏見するように出来ているらしいです。でもそのまま目で捉えたことを真に受けず、一旦頭にいれて、言葉を発しない。
そうすることで誹謗中傷は抑えられると思う。
 
人間が考えてそうしない限り誹謗中傷はなくならない。もしAIの技術がこの先進歩したら、人間が否定する言葉を打ち込んだ時、反応するようなPCやスマホができたとしたら…
 
でも、そこまでなったらAIに負けてしまう気がしてなんか嫌です。
人間のことなのに、機械にまで制御してもらう社会ってどうなんだろう…。
人の心が機械化するんじゃないかと…。
 
 
イジメも同じ、誹謗中傷も同じ言葉から発せられて傷つくのであれば、もっと人は考えるべきだと思う。
 
今の社会は、考えてない人が多い気がする。
だからそのまま思った言葉を発してしまう。
言いたいことを言うのだけが、勝ち組だと思わないでほしい。
 


 この映画、オススメ…ではないけど(観る人を選ぶので)もし森田剛の演技が観たいと思った時の候補として選びます。
映画前半のアハハウフフ的な平和な感じから一点、あるシーンで曲が入って、キャストの名前が流れて、森田正一が自分のアパートの扉を閉めた瞬間に曲が止まる。
…っていう、『今から本番はじまりまぁぁす!』っていう不穏な感じが映画の撮り方としては凄く斬新。